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春が訪れるその日の祭りに。
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パート2です。
と言っても1日目をまるまる貼ってみた。長いわーこれw
後2日目と3日目と、20分後の決意編があるわけですよ。
なんなの。
まだ終わらない!!!!!
とりあえず、2日目を書き始めようかなーどうしようかなーって言うレベル。
早く続き読みたいとか思ったら、言ってください。ガンバリマス(ぇ

これでもプロローグなのよー!
まだ本篇は始まってないのよー!!!!!!!!
ちょっとずつ、ぶっ飛んで行く予定なので、頑張ります。


+ + + + +


         * * * * * 

今年の夏は梅雨が長い。
もう7月の中過ぎではあるが、雨の予報が絶えない。
いつもならば日傘をかばんに入れてるのに、今年はずっと折り畳み傘だ。
天気予報なんて見る必要がないほど、外れをひく。
だが、あの3日間は素晴らしく晴れていた。

「でも今日はハレだね。」

空は素晴らしく蒼い。
青くて、蒼くて、白い入道雲が愛しく見えるほど蒼い。
そして映える、緑の床。
緑と言うと草が生えてる様に感じるが、今居る所は屋上であり、アスファルトだ。
気持ちだけでも緑化計画と言わんばかりに、なぜか屋上のアスファルトは緑色で塗りつぶされている。
そんな中で日傘をさしながらお昼ご飯を食べる。
拡散する紫外線を感じながらも、こんな照り返しの強い所にいるのは、
頭が悪いやつか、キチガイのどちらかか。 
…と普通は思うだろうケド、私は違う。
ただ単に場所がないだけなのだ、自分の居場所が。

「キャンユースリーピーングナーウー♪」

2人分隙間を空けた隣に彼が居る。
プレイヤーに付属されてる安っぽいイヤホンをつけて、意味の分からない歌を歌う。
別に彼が聞いてる音楽など興味もないし、聴きたくもないが、カシャカシャと音漏れするイヤホンは
グラウンドから昇ってくる笑い声とミックスされて、どうでもいいものに変えてくれた。

「なー…テスト結果出てた?」

私の紙パックジュースがズズっと音を立てる。

「そうね、………いつも通りの結果で。」

ズズズズッ。
音が大きくなって、音漏れとミックスされた。
彼はくるりとこっちを向いて笑う。
笑ったといっても、彼の場合は元々ニヤニヤしているように見える。
目が細くて、どんな顔?といわれれば…狐顔と表現するしかない。
私には見えるのだ。
こいつにふさふさの尻尾が生えてて、私を化かしてるのは分かっている。絶対。
1年の時に転校して来てからずっと、彼の成績は学年トップ。私は2位。
急に入ってきた新人が、ひょいと壁を乗り越えてトップの旗を奪っていった。
愕然としたね、こんな事があっていいのだろうかって。
その日から私は必死に勉強して、勉強して、奪い返そうとしているが。

「なんだ、つまんねー」

ベコッ。
これは紙パックが潰れる音であって、私のプライドとか努力が潰れた音ではないので大丈夫。
それにしても彼、神野君はおかしいのだ。
もしかしたら名前のとおり、神なのかもしれないがそんな事はあり得ないハズ。
でも、それにしても、授業は最低限の日数しか出てないし、授業中だってノートなんて取らない。
やはり狐に化かされているのではないか?

「俺さーロックスターになるんだ」

この前は、プロ野球選手って言ってた気がするが。

「へー…ソレは面白いわね、ギターも弾けないし、家庭部の幽霊部員なのにね。」

私は手すりにもたれ紙パックをビードロの様に鳴らした。
いつもこうだ。
別に聞いてるわけじゃないのに、彼の将来の夢とかそんな話をし始める。
そんなの興味はない。
だからといって、自分から話題を提供するなんて出来ない。
何もすることが無い拷問のような昼休みを潰すには、どうでもいい話をするのが一番なのだ。

「その時がくればギターなんて弾けるようになんの。
かき鳴らしながらステージでエクスタシーするんだぜ?
もちろん歌うのは俺ね。英語の歌詞のやつ。意味分からなくてもいーの。」

彼は私を見ないし、私も彼を見て話をしない。
お互いに見つめるのはただただ広い、青い空だ。
会話はできてるけれど、これはキャッチボールではなく、ただひたすらに遠くにボールを投げる作業である。

「あなたって、学校の成績はいいのにいちいち発言が馬鹿っぽいね」

時折嫌味を含ませてみたり。

「テストが出来るから頭いい訳じゃねーな
あれはただ答えをコピペしてるだけだろう。
教科書からコピペして、みんな同じ脳みそにしちゃう兵器ってやつだな。
あんなのでいい点取れる奴は、みーんな、世の中を円滑に、好きなように回す歯車のひとつになるだけだな。
皆本当はわかってんだよ、感じてるんだよ。
だからこれでいいのかなって悩んだり、一人の世界に引きこもるんだよな。
オリジナリティという自分の世界を守ってるだな。多分わかんねーけど。」

私は回答しない。
ぽこんと紙パックが鳴った。

「まーテストが出来るって事は、俺もその立派な兵器に飲み込まれてるのかもしれないが。
それでもこんな事考えてられるなら、まだまだ幸せなんじゃねーかなって思う。
もっと外の世界を見たいわけよ。」

そんな事を言われたら、私はどうしたらいいの?と聞いてみたかった。
でも私はストローをくわえてるから、言葉にしない。
ただ、紙パックがペコペコと声を上げるだけで、通じる事は無い。

「ソレが返事なの?」

今日に限って返事を求めるのかコイツは…。
ズズっと音を立てる。
もうとっくに紙パックの中に液体は残っていない。
空だろそれ。と指摘されながらも、そんな事は無いとそっぽを向いてはぐらかす。
やばい…逃げ出したくなってきた。

―――ヴーヴーッ

スカートのポケットに入っていた携帯が鳴る。
ナイスタイミング過ぎて多少驚いてしまったが。

『 件名 : 次移動教室だけど、ハルちゃん準備した? 』

…すっかり忘れていた。
ありがとう、さっちゃん…この場から抜け出す口実が出来た!
次移動教室だから、と彼に告げながら駆け足で屋上から逃げ出す。
ドアが閉まる直前に「忘れ物に気をつけろよー」といわれた気がした。
忘れ物とは、勉強道具の事だったのか・・・それとも?

タンタンタンっ。急ぎ足で階段を下りながら腕時計をチラ見、
昼休み終了までまだ5分以上ある事を確認する。
廊下を行き交う人はみな余裕顔でとろとろ歩きだ。
私は準備があるので早歩きだが、ペースが合わない為何度が人にぶつかりそうになった。
屋上から教室へ向かう途中の廊下は、クリーム色から白い色へ変わる境界線がある。
どういう意味かと言うと、旧校舎から新校舎へ繋いだ空間があるって事。
うちの学校は数年前に建て直したが、旧校舎は数箇所残っていて、今歩いてる廊下から見えるのは部室塔…あそこはまだ新しくなっていない。
そういえば、部室塔の横にある大きな切り株には色々な話を聞いてるなぁ…
古い学校には色々と変な話はつきもので、いや、学校と言えば学校の怪談なんて本があるほどに、不思議な話はよく聞く。
会議室の前には白い影が通るとか、中庭では日本兵が行進するだとか・・・。
そうそう、さっきの部室塔の樹の話に戻るが、その樹は自殺の名所だったとか。
名所と言っていいのか分からないが、何人かその樹で首を吊ったなんて話を聞いた。

「あ、さっちゃん…ゴメンネ、連絡ありがと」

廊下を曲がった先に見える教室の前で親友は待っていた。
私より背が低くて、小ぶりな彼女だが、可愛いのですぐに目立つので、入学当時はラブレターもわんさか、とても話題になっていた。
彼女が微笑んで首を傾けると、サラサラと綺麗なロングヘアーが揺れる。

『 件名:いいよー大丈夫^^ あ、ハルちゃんが準備してる間トイレ行ってるね! 』

突き出されたピンクの携帯を見て、オッケーと返事をしながら教室に駆け込む。
私の友達、桜子は変わったコミュニケーションをとる。
小学生の時に苛めにあってからは、人と話す事をやめてしまったらしく、同じ学校ではなかった私には一体何が、彼女をそうさせてしまったのか分からない。
それからというもの彼女のコミュニケーションツールは、携帯を通じて行っている。
メールの件名が彼女の気持ちであり、言葉だ。
私はそんな彼女が好きだ。
文字だと感情を乗せにくい。だからこそ、彼女はストレートな文を投げかけてくれる。
顔色を見ながら答える必要が無くて、いつの間にか仲良くなっていたのだ。

「えーっと…筆箱、教科書・・・ルーズリーフ…後プリントか。」

今日は確か宿題が出ていたはずで、もう教室はもぬけの殻。
いつものこの時間だったら皆が皆、好き勝手に喋って、食べて、騒いでいるだろう。
だが今は別空間のように静かで心地いい。
多分移動教室のほうで宿題を見せ合っているのだろう。事前にやればいいのにね。
風の音すらしない、静かな教室。
壁に貼り付けられたプリントが揺れる音すら、聞こえない教室。
私の制服がこすれる音も、筆箱の中身が揺れる音も。

――キーンコーンカーンコーン…。

今鳴ったのは、授業開始5分前のチャイムで少しだけドキっとする。
移動教室まで3分で着ける距離だが、何故か私は焦っている。
チャイムを聞いた時から、心臓の動きが途端に早くなった様な気がするし、誰かが私を焦らせているのか、私自身が何かに追われているのか分からない。
早く行かなくちゃ!と静かな教室を飛び出し、廊下を滑る様に歩き出す。
目的地しか見えていない私は、教室へ戻り始める生徒の群れの中を、スルリスルリと
通過しながら最短ルートを駆けていく。
宿題も持ったし、教科書も持ったし…忘れ物は無い。
高く上った太陽が窓を突き抜けて、白い廊下の中に拡散する。
欠片が数個、桜子の髪に天使の輪を作ると私に見せ付け、キラキラ、キララと髪の上を跳ねては私の目に突き刺さる。
そんなイルミネーションが終わる頃には白い廊下を抜けて、クリーム色の廊下に切り替わり周りの色が沈む。
桜子で遊んでいた欠片は、薄暗い空間から逃げるように去っていき、目的の教室がもうすぐである事を告げた。

「間に合ったね」

隣の桜子は微笑んで返事をする。
少しだけ首を傾ける所が小動物っぽくて、とても、何というか、可愛い。
私はざわつく教室のドアに手をかけようと伸ばす…が、その手はドアノブに届かずとまった。
数秒前の映像がフラッシュバックする。桜子の携帯。
…私の携帯どこにやったっけ。
さっきまでは確実に持っていたはずだから、と、自分の記憶を巻き戻していく。
キュルキュルと音はしないけれど、カメラのフィルムの様に戻していった。
屋上に居る時はあった。教室に戻る時もあった。
その後準備する為に携帯を…机の上に置いた。

「あーっ!携帯忘れたぁ!」

大変だ!
携帯を忘れるなんて!
別に大したデータが入ってる訳ではないが、プライベートなものだ。
登録メモリとか絶対に見られたくなかった。
…私の携帯のメモリは4/999。4分の3家族である。
後見られたくない物と言えば、写真フォルダとかも見られると…厄介。
撮る物が無いので部屋の写真や、飾ってある小物の写真で埋まっているのだ。
人物の写真なんか1枚も無い。生き物の写真も無い。植物の写真も無い。
私部屋がとても殺風景で、本棚には参考書や教科書だらけで…
綺麗に並べて写真を撮った文房具なんて、絶対に見られたくない。
見られた時の恥ずかしさを想像すると、ギリギリと私の歯が鳴って、地団駄を踏みながら頭を抱えて死ぬしかない。

「ごめん、携帯教室に忘れてきたみたいだから…取りに戻ってくる!先教室入ってていいよ!」

私は方向転換すると、クリーム色の沈んだ廊下を駆け出す。
1分でも1秒でも早く携帯を手にしたかったし、往復したら授業の時間に間に合わないのを
知っている。
沈んだ廊下は長く長く感じ、羽根のように軽かったら飛んで戻るのに!と思ってしまうほど
焦り、途中、携帯を見られた時の妄想がよぎってギリギリギリと鳴いたりもした。
妄想を払いのけながら自分の教室に駆け込むと、長いため息が漏れる。
よかった…携帯は無事のようだ。
チカチカと着信表示のランプが点滅していたが、ソレは後で確認すればいい。
今の私には1分1秒でも惜しいのだ。
時は金なりってこんな時に思うのかもしれない。

「もう大丈夫!」

誰に伝えたかったのか分からないが、私はそう言った。
きっと自分に言い聞かせたかったのかもしれないし、誰かに見られたら困る物に対して言ったのかも知れない。どちらでもいいが1個不安は消え去った事だけは確かで。
後はもう1個の不安を解消するべく、来た道を戻るだけ。
不安が一つなくなる事によって気持ちは軽くなったはずだが、これがなかなか、一歩足が踏み出せない。
後は駆け出してゴールに向かえばいいだけなのに、何か忘れてるような、忘れてないような。
そして、私しかいないハズの教室が騒がしいような、入る教室を間違えたような。
よく分からない、もやもやした感覚が私を引っ張っている気がしてしょうがない。
でもそんな事はどうでもよくて、例えこの場所が怪談紛いな空間だろうが、異次元だろうがいいのである。
携帯さえ見つかればこの場所は何所だっていいし、もう私は次の場所に行かなくてはならないのだ。

「時は金なり!私の場合、時は勉学なり。」

絡み合うもやもやを引き千切りながら教室を飛び出す。
と言っても、実際は何も居ないし、引き千切る様なものも無いけれど、私はそんな気分に陥ったのだ。
教室を抜ければ早かった。
説明するなら、まるで、車のライトが高速で流れていくような、糸が解れていくようなものだった。
でもどんなに早くても私は人間で、秒速で行き来できるような特殊な能力がある訳でも、反則みたいなジェット付きの靴を履いてる訳ではないのだ。
どう考えても遅刻だとばかり思っていた。思っていたケド。
未だに授業開始のチャイムも無ければ、廊下の壁にもたれて待っている桜子さえ居る。
いや、もしかしたら聞き逃してたり、桜子はいい子だから例え授業に遅れたとしても待っていた。のかもしれない。
でもドアの先の教室は、授業が始まる前のあのテンションを維持していた。

*   *   *

――私は完全に参っている。
もう23回は白とクリーム色の廊下を行き来しているのだ。
何かがおかしいと思うことも無く、ひたすらに忘れ物を取りに往復する人生。
普通だったらこんだけダッシュ往復してれば、もう死ぬ!忘れ物なんてどうでもいい!と思うのが当たり前なんだろうケド、そのときの私はさっきも言ったけれど、参ってた。
筆箱を4回、プリント6回、教科書2回、ルーズリーフ1回。
どう考えたって、オカシイと思うのが普通だし、さっきまで持ってたハズの物がパっと消えるのは誰が考えてもマジックじゃない限りはオカシイと思うだろう。
でも、どうだ?
私はソレを普通に受け入れて取りに戻るのだ。
まるで猿芸の様にクルクルと廻されているのだろう。そうだろう。

「もうこれで絶対忘れ物は無いハズ。」

24回目。
ドアノブに手を伸ばすと今までとは違う変化が訪れた。

「なぁ、お前が居ないと授業始まらなくて退屈なんだけど」

ドアノブがくるりと回って、狐顔が出てきた。彼の後ろから見える教室は、やはり騒がしくて先生が来ている様子も無く、宿題を書き写す早書き競争の会場のようになっている。
そんな中、狐顔は不機嫌そうに頭をかきながら文句を言う。
別にそんな、私が居なくたって授業は出来るだろうと言い返す前に、彼の方が口を開く。

「言っただろ?忘れモノに気をつけろって。お前、意味分かってるか?」

だから私はもう23回も忘れ物を取りに行ったし。

「モノはモノでも、他に忘れているのがあるだろうに。もやもやしてるから、何か忘れてる気がするから往復する事に抵抗が無いんだろうに。」

さっさと取りに行って来い!と少しだけ乱暴に肩を押されると、私が言い返す前にドアを閉めてしまった。
でも彼が言いたい事は何となく私も分かっていて、本当は違うものを取りに行ったのに、代わりの物を持って帰って来てしまっている様な気もしていたのだ。
モノはモノでも。なぞなぞみたいなモノ?

「ねぇ桜子、モノはモノでもって何だと思う?」

はっとした。
モノはモノでも、物じゃなくて、者。
言ってたじゃないか!教室に入る直前に、桜子はトイレに行ったのだ。
チャイムにあせって駆け出した私は、桜子を置いていってしまったのだ。
待ってなきゃいけない者を置いていってしまったのだ!そうだ、これが正解の忘れ者。
24往復もして、しかもアノ狐顔のヒントが無ければずっと私は往復してたかもしれない。
そう思うと、今日一番の速度で走った。今できる事はそれ位だったし、廊下でちょこんと待ってる桜子を想像したら、切なくて申し訳なくて、息が途切れ途切れになる程に全力で疾走する。今度の背景は真っ白だった。

「ご、ごめんね、桜子待ったでしょ?」

息を切らして駆け寄る。
夏場に全力疾走なんてするもんだから、私は汗びっしょりで髪の毛がべったりと張り付いていた。
私が駆けてくるとスっと顔を上げたが、すぐに下を向いて携帯を弄ってしまう。
多分凄く怒ってるんじゃないかな…。

「ごめん、あの、本当…その…。」

こういう時、本当にどう対処したらいいのかわからない。
うまく声をかけられない私は、挙動不審にキョロキョロしたり、天井を見たり、壁を見たり、
自分の持ち物を見たりするしか出来なかった。
それにしても、不思議な事がある。
桜子は私と…。

―――ヴーッヴーッッ!

「うわっ!」

ポケットに入れた携帯が振動する。
案の定、桜子からの新着メールで…

『こんなに待たせるなんて、ハルちゃん大嫌いだもん゛(`ヘ´#)!』

あぁ…やっぱり怒っちゃうよね、当たり前ですよね…。
ちらりと隣を見るけれど、下を向いてる桜子の顔色は確認できない。
多分すんごい怒ってるか、それか凄く切なくて半べそかいてるかも。

「本当…ゴメン…ね?ゴメン…」

私がもっと今の現状を突破できるような言葉を知っていて、使う事が出来たらよかったのに。
搾り出したゴメンネは彼女に通じているのだろうか。
何だか私も泣き出しそうになりながら、メール画面をスクロールしていく。

『 















うっそだよーん☆ハルちゃんは大げさだね^^
遅刻しちゃうから、早く教室いこー! 』

だ・・・っ!
騙されたーーーーーー!!!!
してやったり顔の桜子が腕に抱きついて、グイグイと引っ張る。
この泣き出しそうになった気持ちは何所に捨てればいいのか・・・と、大きなため息を吐きながら移動教室に向かって歩き出す。

――キーンコーンカーンコーン

「あ、授業開始5分前だ!桜子走ろう!」

タタンタタンと、2人分の駆け音が白い廊下とクリーム色の廊下に響く。
その時の私には、もうここを24往復した事はどうでもよくなっていたし、知らない桜子もどうでもよかった。
そもそもそんな時間が本当にあったのか?とすら少しだけ思う。
私の現実にはどうでもいい事だったのだ。
後一つだけ。
携帯を取りに戻った時の新着メッセージは桜子からで。

『件名:わすれものはここだよー><』

だった。

これがはじまりの1日目。
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なんか、ほら、あれだよ。
おえかきでドン。ドッカン。
ドン!するといいよ!!
YOU聞いちゃいなよ!!

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とても。
希少種ですよって事です。
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